キックプレート

こちらは病院の廊下です。
壁の一番下に付いているのは巾木で、その上に付いているのがキックプレートです。
キックプレートというと、他にも使用する場面がある言葉ですが、ここでは巾木状の建築部材ということで話を進めます。
キックプレートは、蹴飛ばしても平気なような部材のことです。
もちろん蹴飛ばすというのは言葉の綾で、実際には車椅子などがぶつかっても平気なような部材ということです。
ここで、車椅子などと書きましたが、住宅建築では車椅子だけに限定してもいいでしょう。
一般的な車椅子では、車椅子の先端に足を乗せるためのフットレストが付いています。
このフットレストが前輪よりも前に出ているため、曲がるときなどに壁に当ってしまうことがあります。
フットレストは金属製で、壁の下地は石膏ボード。
となると、こすって傷が付くぐらいで済めばいいのですが、穴が開いてしまうこともあります。
つまりキックプレートはその用心のために付けるもので、巾木が主に掃除のための用心なのに対して、キックプレートは外力に対する用心ですね。
キックプレートの素材は硬すぎるとまずいでしょう。
車椅子利用の場合、車椅子のフットレストから足先が出ていることがあって、フットレストが当らずに足先が当ることがあります。
その際に、少しでも足先に伝わるショックをやわらげるような素材がいいと思います。
キックプレートを取り付ける高さのは、車椅子に乗ってフットレストと足が当る高さです。
このとき、フットレストが当る部分と、足が当る部分の素材を変えてもいいと思います。
ただ、前輪を持ち上げて移動するとなると、話は変わってきそうです。
車椅子の使い方に応じた、高さを考えないといけないですね。