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採光

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こちらは河川の堤防沿いに建っていた建売住宅です。
画像に写っているのは建物北側で、堤防に直面しています。

正面の2棟で、1階部分に黒く見えているのは掃き出し窓のシャッターですね。
本来ならば、この場所に大きな掃き出し窓は付けたくないところです。
なんといっても堤防上から丸見えですからね。
また、この掃き出し窓の前面にあるのは、庭ではなく狭くて日当たりの悪い空き地です。

このような場合、通常ならば主に通風を考えた、腰高窓を付けるところです。
必要以上に大きな窓は、部屋のレイアウト上も不利ですし、使い勝手も悪くなります。
また、遮音性、断熱性などについても、窓が大きいと不利になりますね。

それなのに、この場所に大きい窓が付けられているのは、建築基準法で定められている居室の採光を確保するためです。

建築基準法では、人間が生活するような(人間が生活するであろうな)部屋に対して、自然光を取り入れられるような開口部の存在を要求しています。
その開口部の大きさは、部屋の大きさに応じて定められており、当然、部屋が大きければ大きな開口部が必要になってきます。

また、開口部に関しては常にすべてが有効というわけではなく、隣地との距離も関係してきます。
隣地との距離が近すぎると、開口部の採光に有効な部分も少なくなってきてしまいます。
(このあたりについては図解入りの詳しいサイトがあるはずですから、そちらを参考にしてください。)

一見すると不自然な窓にも、それなりの理由はあるんですよ。
by safetycap01 | 2006-04-24 18:51 | 住宅建築 | Comments(0)