幣芯
天井裏に入り込んで、屋根のほうを見上げたところです。
中央部の太い材木は、屋根架構の頂部に位置する棟木(むなぎ)です。
ちなみに、この棟木を据えつけることを上棟といいます。
この棟木に、垂木(たるき)程度のサイズの角材が取り付けられていました。
また、その角材には、墨にて書き込みがなされていました。
この角材は、上棟式で用いられた幣芯でしょう。
今では角材だけの姿になってしまっていますが、上棟式の日には、いろいろと飾り付けがなされていたはずです。
で、この幣芯の長さは3尺6寸5分です。
この3尺6寸5分という数値は、1年365日からきたもので、この建物を1年中護っているということでしょう。
同じく、神棚の横幅も3尺6寸5分とされています。
ただ、日本において1年が365日と認識されたのは、そんなに昔のことではありません。
3尺6寸5分という数値が用いられるようになったのは、それ以降のことのはずです。