背割りと千切り
木造橋の欄干の端部・・・親柱(おやばしら)です。
よく見ると、柱の外周部から中心部に向かって、切れ目が入れられています。
この切れ目のことを、背割り(せわり)といいます。
背割りというのは、柱の外周部が乾燥収縮して割れてしまうのならば、最初から切れ目を入れておくことにより、この背割り部分だけに割れを集中させようということで、人工的に入れられた切れ目のことです。
木造住宅の和室の柱にも、このような背割りが設けられているのですが、さすがに目に付くところに背割りを持ってくるわけにはいきません。
背割りは壁などで隠れてしまうところに、設けられているはずです。
また、背割りというものは、乾燥収縮にともなって、開くだけではありません。
乾燥収縮が落ち着いてきても、湿気に応じて閉じたり開いたりします。
その閉じたり開いたりを抑えるために設けられているのが、蝶々型をした千切り(ちぎり)です。
木造住宅の和室の柱に設けられている背割りでは、千切りまでは設けられていないことがほとんどです。