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本締錠の取付にあたっては、ドアに大きめの穴を開けることになります。
この穴あけ作業が、慣れない人には難しい作業になると思います。

今回、穴あけ加工に用いた工具は、写真の右下に示した自在キリ(じざいきり)と呼ばれているものです。
自在キリは、コンパス(ビームコンパス)の円を描くほうが刃物になっている工具だと考えてください。
この自在キリを電動ドリルに取付けて回転させることによって、対象物を円形に切り取ります。
円の大きさは刃物の位置を動かすことによって調整できます。
この点が、ホールソーなどと呼ばれている穴あけ工具と違うところです。
ホールソーというのは、自在キリよりも使いやすい工具なのですが、開けられる穴の径が決まってしまいます。
それと、大口径の穴を開けられるホールソーは高価です。
ほかにも同様な仕組みを持った工具に、自由キリ、サークルカッターなどがありますが、考え方は自在キリと同じです。

以下は自在キリを使う上での作業上の注意事項です。
 
ドアを取り外した上で、安定した作業場所を設け下向きで作業を行うこと。
けっしてドアを取付けたまま、横向きで作業を行わないでください。かなり危険ですよ。

自在キリを取付ける電動ドリルは大型のものを用いること。
小型のドライバードリルでは抑えが効かずに振り回される恐れがあります。大型のハンドル付き電動ドリルのほうが、抑えが効いて安全です。

穴は両面から開けること。
片面だけから開けてしまうと、裏側がめくれてしまったり、バリが出てしまいます。

以上、自信がない場合は、小さいノミでこつこつと穴を開ける手もあります。
ノミという道具は、危険な道具であり手間もかかりますが、一般の方が慣れない電動工具を使うよりは安全だと思います。
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こちらは本締錠を取付けるために、ドアのほうを加工し終えたところです。
この本締錠は、円筒錠やチューブラ錠と呼ばれているタイプのもので、錠の中ではドア加工が少なく済むタイプです。

加工のほうは、ドアの面の部分にドリルで穴を開け、その穴に向かってドアの厚み(横手・・・おうでといいます)のほうから穴を貫通させます。
つまり、円筒錠ではこの二つの穴の中に、錠としての機能の大半が納まってしまうということです。

この際に気をつけることは、穴を開ける位置にドアの芯材がきていることを確認することです。
一般的な室内ドアは、ほとんどがフラッシュ戸と呼ばれているタイプで、2枚の表面材を張り合わせて太鼓のように作られています。
それでは、太鼓のように中空ならば錠は取付けられないのではないかというと、さすがにそのへんは考えられています。
つまり、ドアノブなどが取付けられそうな部分には、芯材が入れられているということです。

ただ、この取付けられそうな部分というのは、ドアメーカーが考えた標準的な位置ということで、実際に取付けたい位置とは食い違っていることがあります。
具体的には、既存のレバーハンドルが取付けられている位置よりも、かなり高い位置や低い位置には、芯材は入っていないと考えてください。
また、左右に関しても、既存のレバーハンドルよりも内側や外側には、うまい具合に芯材が入っていないと思ってください。
ということは、新たに円筒錠を取付け可能な位置は、既存のレバーハンドルよりも少し上の位置か、少し下の位置ということになります。
ちょっと変わった位置に、円筒錠を取付けたいときには、ドアを特注して交換したほうがいいかもしれません。

横手(おうで):これは王手とも書いて建具用語です。
建具で横手というのは、建具本体の厚み部分を指す言葉で、正面から見て横手(よこて)のほうに位置しているからでしょう。
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こちらは屋内の建具です。
この建具に鍵を取付けてみます。

取付ける鍵は、廊下側から鍵で施錠開錠できて、室内側からはサムターンと呼ばれている金物を、ひねることによって施錠と開錠ができるタイプで、本締錠(ほんじまりじょう)、間仕切り錠、室内錠などと呼ばれています。
ほんとうならば、現在取付けられているレバーハンドル部分を、錠付きタイプのものに交換してしまえば、ドライバー1本で済む工事なのですが、錠付きタイプのレバーハンドルは種類が限られてしまいます。
ここでは錠付きタイプのレバーハンドルを諦めて、室内錠を別途取付けることにしました。

ただ、室内錠を別途取付けるとなると、ドア部分への穴あけ作業などが必要になってきます。
この作業、それほど難易度が高い作業ではありませんが、それなりの工具を用いないとできません。
逆に言えば、それなりの工具さえ持っていれば、可能ともいえます。

そもそも、このような室内錠はプライベートな部分に取付けるものでもあり、作業の出来栄えが他人の目に触れることも少ないでしょう。
一般の方でも工具さえ揃っていれば出来栄えを気にせずに、挑戦してみる価値があるかもしれません。
もちろん錠付きタイプのレバーハンドルを選択する手もあります。
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桁(けた)と梁(はり)という部材があります。
どちらも木造軸組みを構成する重要な横架材なのですが、まったく同じ断面の部材を使う例も多く、その区別をつけるのは難しいかもしれません。
ここでは、桁と梁の違いについて、私なりの区別を簡単に記してみます。

写真は切妻屋根(きりづまやね)の小屋部分です。
棟木(むなぎ)と平行に架けられている部材が桁です。
そして、桁と直行する方向に架けられている部材が梁です。

桁は柱の上部をつなぐ構造体としての役割りと、棟木から流れてきている垂木を受ける役割りを持っています。
一方、梁のほうは柱の上部をつなぐ役割りを持ってはいますが、垂木を受けてはいません。
この垂木を受けるか受けないかが、桁と梁の違いといってよいと思います。
また、垂木を受けるためには、それなりの加工をしなければならないため、桁と梁とは見た目で区別がつきます。

それでは、四辺に屋根が流れる寄棟屋根の場合はどうなのでしょうか。
寄棟屋根の場合は四辺に垂木が架かってくるため、外周部の横架材はすべて桁になります。
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これは内部から見た桁と梁です。
この段階になってしまうと、桁と梁の区別をつける意味がなくなってきます。
つまり桁と梁の区別が意味を持つのは、軸組みの段階までといってよいかもしれません。
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棟木(むなぎ)というのは、屋根の一番高い部分(棟)で垂木(たるき)を支えている横架材です。
この棟木を束の上に乗せることを、上棟(じょうとう)もしくは棟上(むねあげ)といい、木造軸組工事の締めとなる作業ということで、ここから上棟式という言葉が出たものです。

実際の組立作業では、必ずしも棟木が最後に乗せられるものとは限りませんが、その建物で一番高い場所に位置する、大物の部材であることにはかわりません。
棟木が束の上に乗ると、建物の外観が見えてきます。

写真で見てもらいたいのは、棟木と垂木の取り合い部分です。
垂木は、棟木の角の部分に直接乗っているのではありません。
棟木の角の部分を垂木の幅で欠き込んで、垂木がはめ込まれるようにして乗っています。
これは、垂木の棟木へのめり込みを防ぐために、垂木と棟木の接触面を増やすために行っていることです。

ここでは、垂木の取り付く部分だけ棟木を欠き込んでいますが、棟木全体を斜めに削ることもあります。
そうすると、棟木の頭部はへの字型になるわけで、そのような形状のことを鎬(しのぎ)といいます。
そして、このような形状に角材の角を削ることを 『鎬に削る(しのぎにけずる)』 といいます。
これは、棟木のように両方の角を削ることだけでなく、母屋(もや)や桁(けた)のように、片方の角を削る場合にも用いることがあります。

最後に蛇足です。
鎬というのは日本刀から出た言葉です。
日本刀の断面というのは、包丁のように平べったくなっているのではなく、中間部がへの字型に膨らんでいます。
その膨らんでいる頂点のことを鎬といいます。
そして、この鎬を合わせるような白熱した戦いのことを 『鎬を削る(しのぎをけずる)』 戦いといいます。
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建築の世界では屋根の勾配を、何寸勾配などと言い表しています。
寸というのは1寸2寸の尺貫法単位の寸のことで、何寸勾配というと1尺(10寸)進んで何寸上がるような勾配ということです。
これをわかりやすくメートル法に置き換えてみると、1m進んで40cm上がるような勾配ということになります。
蛇足になりますが、道路の坂道などで用いられている何パーセント勾配というのは、100m進んで何m上がり下がりしているのかということで、何寸勾配を10倍したものに相当します。
具体的にいうと、4寸勾配は40%勾配になります。

この勾配の表し方はまさに三角関数タンジェントのことで、勾配の角度をθとすると 何寸/10寸=tanθ の関係になります。
ということで、日本の住宅の屋根で用いられることの多い、4寸勾配の角度を求めてみると
 4寸/10寸=tanθ 
 0.4=tanθ
ここで三角関数のついた電卓を用いて、逆関数を求めてみると
 tan-1(0.4)=21.8014・・・
勾配角度は21.8014・・・度、約21.8度になります。

次は、以上の逆の作業を行ってみます。
角度30度は何寸勾配でしょうか?
これは簡単で、タンジェント30度を電卓で求めて、10倍すればOKです。
 何寸/10寸=tan30°=0.57735・・・
 何寸=5.7735・・・寸
ということで角度30度は、約5寸7分7厘勾配となります。

以上より、度数表示の勾配と、何寸表示の勾配を、相互に変換することができます。
何寸表示に慣れていない方は、度数表示に変換してみると勾配の感じがつかみやすいのではないでしょうか。
また、35度の屋根勾配で犬小屋を作りたいなどというときには、度数表示のままでは分度器や勾配定規などを用いなければならず、作業が進めにくいものです。
犬小屋程度の小さな建物でも、分度器を使って屋根の角度を出すことを考えてみてください。
たいへんそうに思えませんか?
そこで、角度表示を何寸表示に変換してやれば、直角を挟む二辺の長さで作業を進めることができるということです。
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この犬小屋の屋根は切妻屋根(きりづまやね)です。
切妻屋根とは本を開いて伏せたような形状の屋根で、ごく普通に見られる屋根です。

こちらでは切妻屋根の棟(頂部)を、建物の長手方向に持ってきています。
このような屋根の架け方が一般的な方法なのですが、もちろんこれでなければダメという話ではなく、これと直行する掛け方も考えられます。

ここでは、なぜ写真のように棟を長手方向に持ってくるな掛け方が、一般的なのかを話してみることにします。

棟を長辺方向に持ってきた場合と短辺方向に持ってきた場合、何が違ってくるのかというと、棟の高さが違ってきます。
その高さの違いも、犬小屋程度ならばたかが知れていますが、実際の建物になるとかなりのものになってしまいます。
例えば5m×10mの建物で屋根勾配が4寸勾配(4/10)だとすると、棟を長辺方向に持ってきた場合と短辺方向に持ってきた場合の高さの差は、1mになります。
1mというとたいしたことがないと思う方もいるかもしれませんが、実際には高さの差の1mというのはかなり大きな数字です。

そして、この高さの違いによる影響です。
一つ目は、見付け面積(立面上の面積と考えてください)が大きくなるため、強風時に大きな力がかかるようになります。
二つ目は、屋根部分が大きくなることによって屋根部分が重くなり、地震時に不利になります。
以上、2点は構造的な問題なのですが、それ以外にも問題が出てきます。
三つ目は、建物が高くなることによって、近隣への日当たりの問題が出てきます。
四つ目は、屋根が大きくなるため、その分費用がかかることです。
そして最後は、デザイン上の問題で、屋根が大きくなりすぎることによるバランスの悪さです。
ただ、デザイン上の問題にはその人の好みということも出てきますね。
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上の階からの漏水については、何通りかの原因が考えられます。

まずは、上の階で水をこぼしてしまうことです。
水の入ったコップを引っくり返した程度では、下の階まで落ちていく水はたいしたものではありませんが、洗面器一杯の水をこぼしてしまうと、下の階までかなりの水が落ちていくはずです。
この場合は水をこぼしたことがすぐわかることが多く、すみやかに水を拭き取れば被害は小さくて済むでしょう。
ただ、花瓶などが知らないうちに倒れてしまったときには、下の階に被害を与えてしまうでしょう。

次は、上の階の設備機器が原因となって、水があふれ出てしまうことです。
これは、排水口に栓をした状態で水を大量に流し続けたり、洗濯機のホースが外れていたり、便器が詰まってしまったときなどです。
この場合は、水が流れ続けていることに気づかないことも考えられ、下の階にかなりの被害を与えてしまうと考えてください。

最後は、排水管が詰まってしまうことです。
排水管が詰まった場合は、排水が逆流して上の階にあふれ出してしまい、さらにあふれた水が下の階に落ちて被害を与えてしまいます。
また、この場合には詰まった箇所が天井裏や壁の中になるため、漏水の原因を特定するのに手間がかかります。
しかも詰まった箇所が、漏水を起こした方とは、別な方の住まいであったりすると、なかなか面倒な作業になってしまいます。

ほかに、漏水の原因としては、工事に起因する漏水(施工不良)、経年劣化による漏水、知らないうちに壁内の配管に釘なりビスなりを打ち込んでしまった、などということもあります。
まずは、漏水の原因を究明して、水漏れを止めることです。
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漏水事故の原因は、排水管に熱湯を流したことでした。
しかも、熱湯はヤカンのお湯を流した程度ではなく、煮え立つまで沸かした風呂桶の栓を抜いてしまったためです。
そのため、流した熱湯によって排水管の継ぎ手部分が外れてしまい、そこからお湯が流れ放しになったようです。

今の給湯器では、煮え立つまでお風呂を沸かすことは不可能なのですが、昔の風呂釜では煮え立つまでお風呂を沸かしてしまうことが可能です。
煮え立ったお風呂を見て気が動転したのか、風呂桶の栓を抜いてしまったのでしょう。
そのようなときには、水を加えて湯温を下げればよいのですが、そこまで気が回らなかったのだと思います。

一般に、住宅の排水管には塩ビ管が用いられます。
その塩ビ管の耐熱温度は60℃程度なのですが、お湯を流す場合には、触れて少し熱いと感じる程度で留めておいたほうがよいでしょう。
熱くて触れることができないようなお湯は、けっして流さないでください。

お湯については、耐熱排水管というものがあります。
しかし、この耐熱排水管は、住宅の排水管では食器洗い機の排水に、限定的に使われていることがほとんどです。
熱湯をじゃんじゃん使って流したいときには、それなりの配管設備が必要になってきます。

ネット上には、流しの掃除法として、熱湯を流す方法を載せている例があります。
これは、試してみないほうがいいですよ。
少しの熱湯ならば、そのときはなんともなくても、何度も行っていると排水管の継ぎ手部分が傷むはずですからね。
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天井が垂れ下がっているのがわかるでしょうか。
正面に写っている照明器具あたりが、いちばん垂れ下がっています。
これは、上の階からの漏水が原因で、天井が垂れ下がってものです。

ここまで天井が垂れ下がるとなると、漏水した量もかなりなもので、床のほうもびしょ濡れでした。
幸いにも、漏水時に下の階に人がいたので、上の階の出水を止めることができたため、この程度の被害で済んだと思います。
これが、下の階に人がいなかったら、天井が抜けることもありえます。
そして、上の階では、下の階の被害に気づかずに水を出し続けたことでしょう。

この建物は2階建てのため、関わったのは1階と2階の2フロアーだけで済みましたが、これがマンションなどの上層階で漏水事故を起こすと、2フロアーだけでは済まないことがあります。

また、漏った水が落ちてくる位置が和室であったり、電化製品、タンス、押入れなどの水を嫌うものがあると被害はたいへんなことになります。
今回は、この天井の補修工事と、床の拭き掃除程度で済みました。
ラッキーだったといえるでしょう。
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