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コンクリートの型枠を解体し終えると、擁壁背面の埋め戻しです。

埋め戻しは、工事当初に行なう根伐り・・・掘削工事よりも手間がかかります。
根伐りの場合は、乱暴に言ってしまえば、ただ掘ればいいのですが、埋め戻しの場合はそうはいきません。
土を持ってきて、ただ埋めていけばいいというのではないんですよ。

委細かまわず、どんどん土を埋めてしまうと、土に締りが出てきません。
締りのない土は農作物や樹木を植えるのにはいいかもしれませんが、建物を建てたりするのにはまったく向いていません。
これが、時たま話題に上がる、造成地の地盤沈下の原因のひとつです。
一気にダンプで土を落とし込んで、表面だけ締め固めてお仕舞いではまずいですね。
そのため、埋め戻し時には少しずつ土を入れて、転圧・・・土を締め固めながら進めていきます。

また、擁壁背面付近には裏込め砕石を埋め込みます。
これは、砕石は土よりも水を透しやすいため、水抜きパイプと対になって、擁壁背面に水が溜まるのを防ぐために行ないます。
さらに水抜きパイプに水を集めるために、砕石下部にはコンクリートを敷き込みます。

ここで、なぜ擁壁背面に水が溜まるとまずいのか、という疑問があると思います。
よく締まった地面にスコップで穴を掘ると、垂直に穴が掘れます。
このような状況のところに擁壁を作ると、擁壁はただ自立しているだけで済むはずです・・・地震のことは考えていません。
一方、水分をたくさん含んでどろどろの状態の地面に穴を掘ろうとすると、穴の中に土が崩れてきます。
このようなどろどろの状態の地面に擁壁を作るには、土の崩れを防ぐための力が必要になってきます。
当然ながら、擁壁には土の崩れを防ぐための力が備わっているのですが、土の崩れはないほうがより安心ということです。
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写真は打ち放しコンクリートの型枠を外したところです。

まずまずの仕上がりだと思います。
ジャンカとか巣穴(すあな・・・単に巣ということもあります)と呼ばれている、コンクリートにできる空隙は見られませんでした。
ジャンカなどは見栄えが悪いことは当然ですが、そのままで放置しておくと、コンクリート構造物の寿命を縮めてしまうこともあります。
そのため早めの補修工事が必要になります。
だからといって、打ち放し仕上げの場合は補修にも手がかかります。
正直、型枠を解体した段階で、この写真のような状態だとホッとします。

ジャンカなどが発生しやすい部位は、コンクリートが回り込みにくい部位です。
具体的には型枠の途中に障害物があるような部位ですね。
住宅の基礎では床下換気口や設備の基礎貫通口(スリーブ)の下端などです。

これらの場所には、障害物としての床下換気口やスリーブがあるだけでなく、床下換気口やスリーブのために開けた開口を、補強するための鉄筋が入っています。
この補強用の鉄筋も障害物になってしまいます。
特に気をつけて管理をしないといけない部位ですね。

住宅の基礎自体は高さがあまりありません。
このことは、ジャンカなどの発生に対しては有利です。
しかし、基礎の幅があまりありません。
こちらはコンクリートが回り込みにくいことにつながります。
ということで、住宅の基礎というのは規模は小さいのですが、なかなかたいへんなんですよ。
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屋根替え工事の完了です。
工期は足場を除いて延べ3日間。
大きいところは初日に一気に済ませてしまい、残りの2日間は細かい部分と雨樋工事でした。
職人さんは大工さんが初日に4人、銅工屋さんが通しで3人でした。

屋根替えは、終わってみるとあっという間ですが、慌しい工事です。
今年のように、冬場なのに天候が安定していないと、とくに慌しさを感じてしまいます。
寒くても安定した空模様がいいですね。

写真は足場をバラした状態です。
この建物は高台に立地している2階建てのため、屋根自体を下から見上げることはほとんど出来ません。
この建物を見上げて、一番目に付くのは軒樋でしょう。
そのため軒樋には、半丸タイプではなく、少し値の張る角型タイプを使っています。
これで多少なりとも、それなりの感じが出たのではないかと思います。

波板屋根の場合、半丸タイプの軒樋を付けてしまうと、どうしても物置っぽくなってしまいます。
限られた予算ゆえの波板屋根ですが、軒樋に少し予算を廻すと、見栄えが違ってきます。
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屋根の上にはアンテナが乗っている場合が多々あります。
その際の屋根替え工事はどうなのか?

アンテナが乗っていない場合よりも、やりにくいことは確かなのですが、屋根替え工事自体は問題なく行なえます。
アンテナの支柱を持ち上げたりしながら、どうにかやりくりして、屋根替え工事を行なってしまいます。
ただ、アンテナが古くて壊れかけているような場合は別ですね。
アンテナの支柱を持ち上げたりしているうちに、アンテナの状態が変わってしまい、テレビの写りが悪くなってしまうことがあります。

そのようなことが予想される場合にはどうするか?
そろそろ交換の時期ということを事前に話をして、了解してもらっておきます。
この話を事前にせずに、工事途中もしくは工事終了後に、いきなりアンテナの交換の話を持ち出すのはうまくないですからね。

今回はアンテナが屋根の上に乗っていませんでした。
こうゆうのはラッキーですね。
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こちらは波板屋根の軒先です。

今回は野地板は取り替えませんでしたが、野地板に続く広小舞(ひろこまい)はすべて取り替えました。
野地板とは屋根の下地板で、今は12mmの合板を使うことが多いようです。
広小舞については、屋根に用いる材料によって様相が違ってきます。

今回のようなトタンの波板や瓦棒葺き、コロニアル葺きなどでは、広小舞は野地板の延長であることを要求されます。
つまり広小舞は野地板と同じ厚さと高さででないと、トタンやコロニアルがうまく納まってくれません。
そのため、とくに広小舞を設けずに、野地板を突き出して広小舞に替えることも、多々見受けられます。
ところが、広小舞の位置する屋根の突端部は、外気の影響をもろに受ける部位です。
ここは傷みが激しい部位なんですよ。
となると、いくら1類の耐水性に富んだ合板を野地板に使っても、傷む可能性は大きいですね。

既存の屋根では、野地板を突き出さずに広小舞を設けてありました。
そのため広小舞だけを新しいものに交換することができました。

軒先でもう1点。
軒先に取り付けた雨樋を、軒樋といいます。
こちらもすべて新しいものに交換です。
こちらは、壊れてしまっていたり、外れてしまったりしていたわけではありませんが、遅かれ早かれ寿命がきそうな感じでした。

この軒樋、材料費はそれほど高いものではないのですが、足場がないと取り付けができません。
今回のように足場を組んだときがチャンスです。
こうゆうときには思い切って交換ですね。
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加工したトタンを屋根全体に仮敷きし終えたら、釘打ちのための墨出しです。

ここで用いる墨は、墨汁ではありません。
チョークラインと呼ばれている墨壷で、糸にまぶしたチョークの粉をトタンの上に引きます。
さすがにトタンの上に、黒々と墨を付けるわけにはいきませんからね。
このようにチョークラインを使うことは、仕上げ工事でよく行なわれていることです。

じつは、私の周りの大工さんはあまりチョークラインは用いません。
墨出しには黒々とした墨汁を用いるか、鉛筆を用いるかですね。
これは年配の大工さんが多いせいかな?

話を戻します。
墨出しの墨は、下地のトタン受けのピッチに合わせます。
トタン受けのピッチは尺五寸(455mm)で、一般的な数値だと思います。
そして釘は、パッキン付きのスクリュー釘です。

パッキンは釘穴からの漏水を防ぐため。
スクリュー釘は、釘の抜けや緩みを防ぐためです。
ただ、このスクリュー釘も、下地材の厚さが薄かったり、腐食してしまうと効果が薄くなります。
つまり、それなりの材料を使ってこそのスクリュー釘ということです。

最後に、波板に釘を打つときには、波の凸部に打ちます。
これは慣れないと難しいんですよ。
釘先が滑ってしまって、関係ないところに釘で穴を開けてしまうこともありますからね。
そうゆうときには、釘をそのまま打ち込んでしまって下さい。
下手に抜こうとすると、穴が広がったり、波板の波をつぶしてしまいます。
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写真はトタン板・・・波板の端部です。

基本的に波板は、指定した長さで現場に搬入されてきます。
そのため、切妻屋根や片流れ屋根では、搬入されてきた長方形の波板を、そのまま張ればよいので波板の現場加工はありません。
ところが、ここの屋根は台形と三角形を組み合わせた寄棟屋根です。
長方形の波板の一辺を、切断する加工が必要になってきます。

一般にトタン板を現場で切断するには、トタン鋏を用います。
これがなかなか難しい。
特にプロが用いているトタン鋏は、慣れていない人間には使いにくいシロモノです。
慣れていない人にはホームセンターなどで売っている、日曜大工向けのトタン鋏のほうが使いやすいかもしれません。
プロの用いる道具が、万人に使いやすいとは限りませんね。

今回使っているトタン板は波板です。
波板を切断するには、刃先が波板状になっている、波板用のトタン鋏があります。
ところが、この波板用のトタン鋏は、波板を直行する方向に切断するためのもので、波板を斜めに切断するのには向いていません。
波板を斜めに切断するには、通常のトタン鋏を使って切断します。
これも慣れないと難しいですね。
慣れない人は、サンダーでも使って切断したほうがいいかもしれません。

写真に戻ります。
こちらは波板の、水上側の端部です。
波板の凹部が、折り上げられているのがわかると思います。

これはペンチで折り上げられたもので、水返しの役割をしています。
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緑色のアスファルトルーフィングの上に、取り付けられているのはトタン受けです。

ここで用いたトタン受けは杉の赤身で、大きさは八分三寸(24mm×90mm)
杉の赤身は、杉の中心部から採れる材料で、周辺部から採れる白太(しらた)よりも、材質が密で耐腐食性に富んでいます。
もちろん赤身は白太よりも値段が高いのですが、屋根のような厳しい条件にさらされるところには向いている材料です。

また、トタン受けの厚さの八分は、トタンを釘で留めるために欲しい厚さです。
よく用いられている5分厚(15mm)の貫(ぬき)よりも、釘がしっかり効きます。

トタン受けに使った杉の赤身の八分三寸。
トタンを張ってしまうと見えなくなってしまいますが、ある程度時間が経ってから、屋根に登ってみると違いがわかると思います。
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写真はアスファルトルーフィングを敷き込んだところです。

ここで使ったアスファルトルーフィングは厚さ1mm、幅1m、長さ21m、重さは23kgの製品です。
アスファルトルーフィングにはいろいろな種類がありますが、厚さ1mm以上のものを選んでおけばいいと思います。
じつは、この重さの23kgというのが、慣れていない人にはたいへんです。
ロール状のアスファルトルーフィングを、担いで梯子を上るのは一苦労するんですよ。

アスファルトルーフィングの野地板(屋根の下地板)への固定は、タッカーで行なうことが一般的です。
ここで、タッカーとはホチキスのことです。
つまりアスファルトルーフィングはホチキス留めと同じように、ステープル(針)で野地板に固定します。

ここで出てくるのは 『針穴から雨は漏らないのか?』 との疑問でしょう。
じつは、この状態で雨は絶対に漏らない、と断言はできません。
アスファルトルーフィングには弾力性と厚みがあるため、少量の雨ならば針穴程度は問題はないのですが、雨の量が増えてくると厳しいですね。
ただ、アスファルトルーフィングはむき出しで使われるものではありません。
その上に、本来の屋根材が載ってくるため、アスファルトルーフィングが大雨に直接さらされずに済んでいます。

ということは、写真のような状態で大雨が降ってくると、雨が漏ってくる可能性があるんです。
アスファルトルーフィングを敷き込んだからといって安心せずに、早く屋根を葺き上げないといけないんですよ。
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屋根がらみの仕事でたいへんなのは、材料の荷揚げと荷降しです。
これは通常の室内リフォームと違うところです。
荷揚げと荷降しをうまく行なわないと、時間はかかってしまうし、危険ですらあります。

屋根替えの場合、人が住んでいる屋根を撤去することになるので、一日で人が住める程度のところまで、終わらせることが要求されます。
いくら翌日が晴天になるような天候であっても、天井板の上が青空という状態で、一晩過ごしてもらうのはうまくありません。
せめてアスファルトルーフィングまでは、敷き込んでおきたいところです。
このへんは、新築工事と違うところですね。

また、屋根工事の場合、材料の一時置き場が屋根の上になってしまいます。
つまり、屋根の上という、傾斜がついた限られたスペースを、やりくりしながら工事を進めることになります。
そして屋根替えの場合には、屋根の撤去と新設の二通りの工事を行なわないといけません。
それゆえ、撤去した材料と新設用の材料の交通整理が重要になってきます。
屋根の上が乱雑な状態だと、通常の場合よりも危険ですからね。

写真は撤去した材料です。
ここは敷地が広かったため、下部の安全を確認したうえで屋根から落としました。
敷地がギリギリで、撤去した材料を落とせないとたいへんです。
これが瓦やコロニアルの場合だと、リフトを使って材料を降ろせるのですが、トタンの場合は厳しいですね。
屋根の上でトタンをリフトに載せられるまで、小さくまとめないといけないかもしれません。
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