住まいの手入れ 畳の上げ方 その2
前稿からの続きです。
写真は、すべての畳を上げたところです。
床の上に出てきたものは畳表(たたみおもて)の切れ端です。
この切れ端は、畳屋さんが畳を敷き込む際に忘れていったものではなく、畳屋さんが意図して置いていったものです。
それでは、なんのために畳屋さんが置いていったのかというと、畳の高さ調整のためです。
畳というものは稲ワラを圧縮して作ったもので、その厚さについては、それほど寸法精度が高いわけではありません。
そのため、隣接する畳間で微妙な段差が付いてしまうことがあります。
しかし、その段差は畳全体で調整するほどのものではなく、畳同士が隣接する部分だけ調整してやれば事足りる程度といえます。
そして、段差調整に使った畳表の切れ端が、畳を上げたところ現れてきたということです。
ということは、畳を上げたあとで畳を戻す際には、畳表の切れ端も元に戻してやらないと、畳は元通りにならないということです。
以上は、あくまでもプロの畳屋さんレベルの話です。
一般の方が畳を上げる際には、まず畳表の切れ端はゴミとして片付けられてしまうと思います。
そして、畳表の切れ端など関係無しに畳を戻しても、特に問題は起きていないはずです。
これは、ある程度使われた畳は新品の畳よりもこなれてくるため、少しぐらいの段差は気にならなくなるということだと思います。
もし、畳を戻してから段差が気になるようでしたら、その部分だけ畳表の切れ端で調整するという手もあります。
畳表の切れ端を捨ててしまうのは、少し待ったほうがいいかもしれません。