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犬小屋製作記 棟木と垂木の取り合い

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棟木(むなぎ)というのは、屋根の一番高い部分(棟)で垂木(たるき)を支えている横架材です。
この棟木を束の上に乗せることを、上棟(じょうとう)もしくは棟上(むねあげ)といい、木造軸組工事の締めとなる作業ということで、ここから上棟式という言葉が出たものです。

実際の組立作業では、必ずしも棟木が最後に乗せられるものとは限りませんが、その建物で一番高い場所に位置する、大物の部材であることにはかわりません。
棟木が束の上に乗ると、建物の外観が見えてきます。

写真で見てもらいたいのは、棟木と垂木の取り合い部分です。
垂木は、棟木の角の部分に直接乗っているのではありません。
棟木の角の部分を垂木の幅で欠き込んで、垂木がはめ込まれるようにして乗っています。
これは、垂木の棟木へのめり込みを防ぐために、垂木と棟木の接触面を増やすために行っていることです。

ここでは、垂木の取り付く部分だけ棟木を欠き込んでいますが、棟木全体を斜めに削ることもあります。
そうすると、棟木の頭部はへの字型になるわけで、そのような形状のことを鎬(しのぎ)といいます。
そして、このような形状に角材の角を削ることを 『鎬に削る(しのぎにけずる)』 といいます。
これは、棟木のように両方の角を削ることだけでなく、母屋(もや)や桁(けた)のように、片方の角を削る場合にも用いることがあります。

最後に蛇足です。
鎬というのは日本刀から出た言葉です。
日本刀の断面というのは、包丁のように平べったくなっているのではなく、中間部がへの字型に膨らんでいます。
その膨らんでいる頂点のことを鎬といいます。
そして、この鎬を合わせるような白熱した戦いのことを 『鎬を削る(しのぎをけずる)』 戦いといいます。
by safetycap01 | 2008-01-24 19:00 | 建築工事 | Comments(0)