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犬小屋製作記 屋根勾配

建築の世界では屋根の勾配を、何寸勾配などと言い表しています。
寸というのは1寸2寸の尺貫法単位の寸のことで、何寸勾配というと1尺(10寸)進んで何寸上がるような勾配ということです。
これをわかりやすくメートル法に置き換えてみると、1m進んで40cm上がるような勾配ということになります。
蛇足になりますが、道路の坂道などで用いられている何パーセント勾配というのは、100m進んで何m上がり下がりしているのかということで、何寸勾配を10倍したものに相当します。
具体的にいうと、4寸勾配は40%勾配になります。

この勾配の表し方はまさに三角関数タンジェントのことで、勾配の角度をθとすると 何寸/10寸=tanθ の関係になります。
ということで、日本の住宅の屋根で用いられることの多い、4寸勾配の角度を求めてみると
 4寸/10寸=tanθ 
 0.4=tanθ
ここで三角関数のついた電卓を用いて、逆関数を求めてみると
 tan-1(0.4)=21.8014・・・
勾配角度は21.8014・・・度、約21.8度になります。

次は、以上の逆の作業を行ってみます。
角度30度は何寸勾配でしょうか?
これは簡単で、タンジェント30度を電卓で求めて、10倍すればOKです。
 何寸/10寸=tan30°=0.57735・・・
 何寸=5.7735・・・寸
ということで角度30度は、約5寸7分7厘勾配となります。

以上より、度数表示の勾配と、何寸表示の勾配を、相互に変換することができます。
何寸表示に慣れていない方は、度数表示に変換してみると勾配の感じがつかみやすいのではないでしょうか。
また、35度の屋根勾配で犬小屋を作りたいなどというときには、度数表示のままでは分度器や勾配定規などを用いなければならず、作業が進めにくいものです。
犬小屋程度の小さな建物でも、分度器を使って屋根の角度を出すことを考えてみてください。
たいへんそうに思えませんか?
そこで、角度表示を何寸表示に変換してやれば、直角を挟む二辺の長さで作業を進めることができるということです。
by safetycap01 | 2008-01-22 19:07 | 建築工事 | Comments(1)
Commented by ふ- at 2009-08-14 14:41 x
はじめてきました。
大変勉強になりました。
これからもつづけてください-