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擁壁工事#19 埋め戻し

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コンクリートの型枠を解体し終えると、擁壁背面の埋め戻しです。

埋め戻しは、工事当初に行なう根伐り・・・掘削工事よりも手間がかかります。
根伐りの場合は、乱暴に言ってしまえば、ただ掘ればいいのですが、埋め戻しの場合はそうはいきません。
土を持ってきて、ただ埋めていけばいいというのではないんですよ。

委細かまわず、どんどん土を埋めてしまうと、土に締りが出てきません。
締りのない土は農作物や樹木を植えるのにはいいかもしれませんが、建物を建てたりするのにはまったく向いていません。
これが、時たま話題に上がる、造成地の地盤沈下の原因のひとつです。
一気にダンプで土を落とし込んで、表面だけ締め固めてお仕舞いではまずいですね。
そのため、埋め戻し時には少しずつ土を入れて、転圧・・・土を締め固めながら進めていきます。

また、擁壁背面付近には裏込め砕石を埋め込みます。
これは、砕石は土よりも水を透しやすいため、水抜きパイプと対になって、擁壁背面に水が溜まるのを防ぐために行ないます。
さらに水抜きパイプに水を集めるために、砕石下部にはコンクリートを敷き込みます。

ここで、なぜ擁壁背面に水が溜まるとまずいのか、という疑問があると思います。
よく締まった地面にスコップで穴を掘ると、垂直に穴が掘れます。
このような状況のところに擁壁を作ると、擁壁はただ自立しているだけで済むはずです・・・地震のことは考えていません。
一方、水分をたくさん含んでどろどろの状態の地面に穴を掘ろうとすると、穴の中に土が崩れてきます。
このようなどろどろの状態の地面に擁壁を作るには、土の崩れを防ぐための力が必要になってきます。
当然ながら、擁壁には土の崩れを防ぐための力が備わっているのですが、土の崩れはないほうがより安心ということです。
by safetycap01 | 2006-12-29 15:03 | 建築用語 | Comments(0)