床見切り
病室と廊下の境に設置されている、金属色の部材は床の見切り(みきり)です。
ドアの真下にあるので、レールかと思われる方がいるかもしれませんが、こちらのドアは吊り戸のためレール自体が不要になっています。
なぜこのような紛らわしい位置に見切りを設置しているのかというと、ドアを閉めた状態ではこの見切りが隠れてしまうからです。
見切り(材)は仕上げの材料を変えるときなどに設ける部材です。
ここでは、病室、廊下ともにプラスチックタイル・・・Pタイル仕上げなのですが、病室と廊下とでは色を変えています。
そのために設けた見切りだと思います。
もちろん、色が違うだけの同じPタイルなので、そのままつないでしまっても問題はありません。
また、そのような例も珍しくはありません。
このあたりは設計者の好みによるところでしょうか?
とはいっても、病室と廊下の境に見切りが入ると、施工サイドとしては施工の手順が楽になります。
病室と廊下を分けて施工できますからね。
床見切りは、床仕上げ材と同じ高さであることが望まれます。
つまり、見切りが入っても床がフラットな状態がいいのですが、これがなかなかたいへんなんです。
では、どうようにしているかというと、見切りを少し(1~2mm程度)上げるように納めています。
そのほうが施工は楽ですし、健常者ならばつまづくこともないでしょう。
ところが、病院などでは見切りを上げて納めてしまうとダメですね。
私の場合、歩くときには問題ありませんでしたが、点滴棒を引っ張るときに点滴棒を倒しそうになりました。
これは点滴棒の車輪が小さいせいもありますが、そもそも病院には段差は不要です。
病院では見切りを設けずに、あくまでもフラットに納めるべきでしょう。