角しばり
先日、紹介した茅葺き屋根の屋根裏で見かけた、『角しばり(かくしばり)』です。
洋名ではスクエア・ラッシング(Square lashing)
この縛り方は、直角に近い角度で2材を固定する縛り方で、昔は足場丸太を組むのに使われていた縛り方です。
現在は足場丸太自体が、ほとんど使われていません。
新築やリフォームでは、まず見かけることはないですね。
使われているとしたら、低層建築物の解体工事で、シートを張るときぐらいでしょうか?
また、解体工事であっても、足場丸太を縛るのは番線(ばんせん)と呼ばれている太めの針金です。
今、足場丸太を角しばりできっちり組めるのは、年配の鳶さんぐらいかもしれませんね。
現場でのお茶の時間の際に、年配の職人さんから昔の現場の話が出ることがあります。
『昔の足場は丸太だった』
『いまの足場のように、歩み板が無かったからけっこう怖かったんだよ』
『今と違って、現場が長くかかるから(工期が長かったから)、丸太を縛っている荒縄がぐずぐずになってくるんだ』
『そのときには頭(かしら)を呼んで、縛り直してもらうんだ』
この角しばりを見かけて、このような話を思い浮かべてしまいました。
香港だったかな?今も高いビルの工事現場に木?竹?の足場。
びっくりしたような気がします。
鳶職、、バランス感覚がなければ、即事故ってしまいますよね。
高所での作業、今は安全対策しっかりになってるんでしょうか?
しかもビニール紐で縛っているはず。
超高層ビルも、この竹足場で作っちゃうから、文句を付ける筋合いもないです。
郷に入れば郷に従えってやつ?
昨今の現場、安全対策は煩すぎるほどです。
ちょっとやりすぎとも思うんですが、やりすぎぐらいがいいんでしょうね。